東芝ら、EV電池を診断する技術の実証実験を開始

2022年4月7日

東芝、ファブリカコミュニケーションズ、丸紅プラックスは、中古車EVの安全性と流通の活性化を目的とした新しいサービスの検討を行うために、東芝が保有する電池劣化診断技術を用いた中古車EV(電気自動車の中古車)の電池状態診断技術の実証実験を行うことに合意しました。

 今後、EVは世界的に急速な市場拡大が期待される一方、中古車市場に流通するEVの台数も急速に増えることが予想されます。
 しかし、中古車EVの安全性と流通の活性化を目指す上で、「EV電池(車載バッテリー)」の状態診断やその診断結果に対する評価が極めて難しいという課題があります。EVの原動機である「モーター」の状態評価はエンジン車と同じく積算走行距離が価値算定する上でのひとつの指標となりますが、繰り返し充放電される「EV電池」については、現時点では価値算定の指標がまだ確立されていない状況です。

 今回の実証実験では、東芝が二次電池「SCiB」事業で培った電気化学的手法や統計的手法などの多様な電池劣化診断技術を用いるとともに、簡素化した装置を活用することでEV電池の測定を短時間で行い、電池の残存容量や残存性能に加えて電池そのものの内部状態まで詳細に把握する手法を検証します。丸紅プラックスとファブリカコミュニケーションズは、本実証実験から得られたEV電池の測定データを、両社が事業を通して蓄積してきた様々な自動車データと組み合わせることにより、中古車EVの安全性と適正な価値算定や評価手法の確立を目指します。
これにより、中古車業界向けに提供している既存プラットフォーム上に新たにEV中古車情報を組み込むことができるようになります。
3社は共同で次世代に向けたEV普及に寄与するソリューションやサービスの創出を進めていきます。

EVのバッテリー(イメージ)

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