MaaSが注目を浴びています。
そんななか、このMobilityTechというメディアが誕生しました。MaaSとはなんなのか、人々の暮らしにどんな影響があるのか。これまでのクルマ業界、さらには通信業界にどんな影響があるのかを伝えていくメディアとして誕生しました。
さまざまなところでMaas的なものが導入されていますが、どこの事業者や企業も手探りの状態であると思われます。
では、すでに地域で導入されている「MaaS」にはどんなものがあるのでしょうか。
2020年から導入されている「沖縄MaaS」を試しに沖縄に行ってきました。
沖縄観光と言えば「レンタカー」が一般的です。空港に降りて、バスに揺られてレンタカー屋さんに行き、レンタカーの手続きをして出発。混雑した時期だとそれだけで1時間以上かかります。
一方、沖縄には「ゆいレール」というモノレールが存在します。沖縄空港から国際通り、さらには観光地である首里城につながっており、とても便利だったりします。開業当初のきっぷにはQRコードが印刷されており、QRコードで乗れる公共交通機関と言うことでかなり珍しかったことを覚えています。最近では、モバイルSuicaなどの非接触ICカードやスマートフォンでも乗れるため、沖縄観光がかなり便利になりました。
沖縄MaaSはモノレールである「ゆいレール」やバス、フェリーなどの公共交通機関のチケットと観光施設の入場料をセットでお得に購入できるなどの特典があります。
那覇空港に到着後、早速、沖縄MaaSのサイトにアクセス。メールアドレスとパスワードを設定すると使えるようになります。
選んだチケットは首里城公園の入場券とゆいレールの当日乗り放題乗車券がセットになったチケット。値段は860円でした。ゆいレールの1日乗車券が大人で800円、首里城公園の入場料が大人で400円なので、それだけで「お得」です。
チケットの購入はクレジットカードで、VISAとマスターカードのみの対応です。チケット購入後はLINEアカウントと連携させることで、LINEのトーク上にチケットが表示されるようになります。専用のアプリをダウンロードするなどは不要。ウェブサイトからLINEへの連携といった感じで、余計なアプリを入れなくていい、というのは好感が持てます。
しかし、チケットを購入後、注意書きを見て、困ったことになりました。
LINEのトーク上からQRコードの当日乗り放題乗車券を表示させて改札を取るのですが「モバイルSuicaやモバイルPASMOが設定されていないスマートフォンをご利用ください」と書いてあるじゃないですか。
ゆいレールの改札はQRコードに加えて、モバイルSuicaやモバイルPASMOが使えるようになっています。モバイルSuicaを設定してあるスマートフォンだと、改札でQRコードを読み込ませようとすると、モバイルSuicaのほうが反応してしまう可能性があるようです。
仕方ないので、自動改札は通らず、駅員さんに「沖縄MaaSで通りたい」と言いながらスマホの画面を見せて、なんとかゆいレールに乗ることができました。もちろん、首里駅で改札を通るときも「沖縄MaaSですけど」と言いながら駅員さんにスマホの画面を見せました。
首里城公園では、券売所をスルーしていきなりスマホの画面を見せて敷地内に入ろうとしたのですが、スタッフさんから「券売所で券をもらってきて欲しい」とのこと。結局、券売所に戻り、スマホの画面を見せて、「チケットを使う」というボタンを押して、入場券を発行してもらいました。このあたり、もうちょっとスムーズになると嬉しいかも知れません。
2019年に焼失してしまった首里城は、現在、復元に向けての工事が行われていました。完成は2026年以降になるとのこと。工事の様子も公開されるようなので、また沖縄MaaSを使って、沖縄に来ようと思いました。