LEXUSが新型RZモチーフのインスタレーションなどを展示【ミラノデザインウィーク2022】

ミラノデザインウィークレポート(その1)。LEXUS編

LEXUSはミラノデザインウィーク2022で「LEXUS: Sparks of Tomorrow」と題した出展を行いました。展示は大きく分けて3つ。

  • ジャーメイン・バーンズ氏による新型RZをモチーフとしたインスタレーション「ON/」
  • 「LEXUS DESIGN AWARD 2022」入賞作品の展示
  • ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生によるコンセプトデザイン展示

インスタレーション「ON/」

LEXUSは2022年4月に初のBEV専用モデル「RZ」を発表しました。ミラノデザインウィークではそのRSを建築家かつデザイナーであるジャーメイン・バーンズ氏がワイヤーフレームを使って立体的なモデルに再現。「地上にまさに降り立とうとしているRZの様子は、持続可能な未来の到来や、電動化とテクノロジー、デザインの持つ可能性を表現」(LEXUS公式アナウンス)しています。RZの上に飾られているのはアクア・クリエイションズの照明コレクション「Code 130 °」のカラフルなペンダントライト。日本人の筆者の目には「和」のテイストも感じられました。躍動感あふれるワイヤーフレームモデルを柔らかなライトが照らす様は、LEXUSの高級感や先進性だけではなくホスピタリティーも感じさせます。

このワイヤーフレームを挟むように前後にはブランコが置かれ、子供たちが遊ぶさまは未来との懸け橋もイメージさせます。

LEXUS DESIGN AWARD 2022

2013年から毎年行われてる次世代を担うクリエイターの育成・支援を目的とした国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD」。2022年は「DESIGN FOR A BETTER TOMORROW」をテーマとし、世界各国1726件の応募作品からLEXUSが掲げる3つの基本原則「Anticipate(予見する)」、「Innovate(革新をもたらす)」、「Captivate(魅了する)」、「Enhance Happiness(そのアイデアがいかに人々に幸せをもたらすか)」を具現化するアイデアを、世界的に著名な4名の審査員が選出。入賞した6作品の展示が行われました。

  • Rewind(ポー・ユン・ルー氏)

慣れ親しんだ動作を再現することで、認知症高齢者の記憶を呼び起こすためのリハビリテーション支援ツール。手に持ったデバイスによる動作が、ペアリングされたモニター上に視覚的・聴覚的なフィードバックとして反映され、記憶を呼び起こすきっかけとなります。

  • Chitofarm(シャーロット・ボーニング氏&メアリー・レンプレス氏)

ミールワーム(餌用の虫)が廃棄発泡スチロールを食べて消化することに着目したエコシステム。発泡スチロールゴミを、より安全に、そして簡単に処理することのできる革新的な提案です。

  • Hammock Wheelchair(アレックス・ウォン氏、ルーベン・タン氏、ルイス・タン氏、ウォン・ピン・ミン氏、ジョン・タン氏、ラウ・イェン・イェン氏、シー・ハウ・シン氏

車いす、フォークリフト、ハンモックの3つの機能を持ちあわせた介護用の椅子で、介護者の身体的負担を軽減するために介護者の目線で開発されました。布がパレットの役割を果たし、2本のつめが付いた車いすがフォークリフトの役割を果たします。

  • Ina Vibe(Team Dunamis

軽量で持ち運び可能なソーラー式調理器具。電力供給が不安定な地域において、環境に配慮した電力を供給することができます。付属のバッテリーパックから照明や、その他のデバイスへの充電も可能です。

  • Sound Eclipse(クリスティーナ・ロギーノワ氏、シャミール・サハビエフ氏

ノイズキャンセリング技術を活用し、屋外の騒音を打ち消すことで、窓を開けた状態でも静かな室内環境で楽しむことを目指したデバイス。窓に設置したデバイスの背面のマイクが騒音を感知し、スピーカーから騒音と同じ振幅で逆位相の音波を出すことで、音波と騒音が合成し、互いに打ち消しあって外からの騒音を軽減してくれます。

  • Tacomotive(三國 孝氏)

薄いシートを切り抜いた様々な文様が創り出す触感を利用して、感覚的に情報を伝える触覚言語。識字能力に左右されない全く新しいコミュニケーションツールとのこと。

ロイヤル・カレッジ・オブ・アートコンセプトデザイン

ロンドンにあるRoyal College of Art(RCS)とLEXUSによるクリエイティブ・プログラム「2040: The Soul of Future Premium」から生まれた先鋭的かつラグジュアリーなモビリティーコンセプトを3名のデザイナーがデザイン化。21世紀半ばに向け、ラグジュアリーモビリティの進化をモデリングしました。

  • ALTO(リチャード・ニューマン氏)

”日常を楽しむ "ことをプレミアム体験とする人々のための、水素で動くVTOL(垂直離着陸機)。形状は熱気球や植物のテラリウムから着想を得ています。作者は「雲のイヤリングのような空のジュエリー」と表現し、外観はパーソナライズ可能。建物の側面にシームレスにドッキングすることもできます。

  • LEXUS #UNITS(ジェンユー・コン氏)

海岸の防波堤の形状からインスピレーションを受け、ブロックチェーン技術を使って他のユニットとバーチャルな接続も可能。パーソナライズできるこの車はジェネレーション・アルファの多様な自己表現への欲求に応えます。

  • CRUCIBLE(ベン・ミラー氏)

水素を燃料とし、様々な利用シーンやコンテクストに対応できるよう、内部をモーフィングできる小型車両。豪華なキャビンをテクノロジーから分離し、気楽でパーソナライズされたサービスを提供してくれます。

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山根康宏/Yasuhiro YAMANE

香港在住の携帯電話研究家。スマートフォンを中心にIoT、スマートシティー、プロダクトデザインなどターゲット範囲は広い。年の大半を海外取材に費やしており、モビリティーの進化を日々体感している。

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